× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 いろんなものが色鮮やかにみえて、あたしなんかにはってついつい思ってしまうのだけど、それさえも情けなくなって、嗚咽がとめられなくなる。あおいあおい空があたしの名前を呼んでいる気になって、足を踏み出そうとするのだけど、あたしには翼がないのだと、また誰かに引き戻され、あたしの腰に現実の帯がまきついて離れなくて、太陽を見つめて泪を流す。人に愛されたいと思うことを恥じたあたしは今日も壁で四方を囲んで、人の優しさを寄せ付けないでいる。人に愛されたいと声高らかに笑えるあなたが本当は羨ましくて、それから意識をそらすために、たくさんの嘘を塗り重ねた。嘘は嘘をよんで、あたしの腰をしめつけて、首に手をかけては微笑む。いっそのこと殺してくれればいいのに、どうしてかきみはあたしに生きることを強いる。それこそが何よりも、苦しいことだからなんだと解ったつもりで、きみを知ったつもりで、盾にしていた。誇れるものなんか何もないことさえもが誇りとなって、優しい手を一つずつ切り裂いていった。あたしは誰よりも愛を欲して、きみを愛してた。 PR よろしくって頼むことよりも ありがとうで埋め尽くされたいのが常
あなたの爪が色を呈した。今日は煙草の色。重い香で、街中どこでもボタン1つで買えるあたしとあなたが共有できる色。そして独りになると必ず思い出す色。
「できたよ。」 「あー、今日も綺麗に塗ってくれたんだな。」 「可愛いでしょ?」 あたしが色を落とした爪のついた手は、あたしの髪にするする纏わりついてくる。窓から注ぐ冬独特の冷め切った白い光はあたしの目には疎ましい。あなたの首沿いにある突起を眺めていた。あたしにはなくて、あなたにはあるもの。不規則な上下運動。滑らかな移動。あなたがくくっと笑うと、小刻みに振動する。取り出してしまいたかった。その皮を1枚剥いで引き出したかった。 好きになるだけで、幸せになれた とにかく忘れたかった。あたしは忘れたくてどうしようもなかった。 |