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結局あたしは何が欲しいんだろう。どんな時も裏切らない友達?いつでも愛してくれる恋人?いつもあたしは強がって、本当はあの子みたいにみんなの真ん中でいつも笑っていたいし、本当はあの子みたいに街中で人目なんか気にせずに腕を絡めて恋人と歩きたいし、本当はあの子みたいに頑張ったことを大人にすごいねって褒めて認めてもらいたい。あたしはいつも、一線引いて生きてきて、何枚も仮面を重ねて、本音なんか言えずに、大人ぶって、たくさんの男を弄ぶようなことを言って、みんなの気を引くのに必死で、繋ぎ止めるのに必死で、素直に喜べたことなんかなくて、少しでも子供になってる自分がいたら、恥ずかしくて急いで消して、また仮面を重ねて、そんな風に生きてきた。もう終わりにしたいって、こんな嘘だらけの虚構名あたしは終わりにしたいって幾度となく思うのだけど、弱虫で嫌われたくなくて、見られることに怯えるあたしは結局脱ぎ捨てられない。そしてまた仮面を重ねてしまう。終わりにしたいよ。本当のあたしを見つけてよ。助けてよ。弱虫なあたしも、子供なあたしも、わがままなあたしも、あたしがだいきらいだといってきた類の人間なあたしも、みんなみんな見つけてよ。探しだして、お願い。隠れ家から、あたしは出られない。内側からは開けられない。嘘もハイヒールもお芝居もなかったら、ピエロの涙は輝く。そして拭ってもらえる。
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「全部全部、終わりにしてしまいたい時ってない?」

きみが突然言うもんだから、僕は驚いた。きみはどこか影のある子だったけど、それは周りが仕立て上げているだけで、本当は普通のどこにでもいるような女の子だと思っていた。

「なんでそんなこと聞くの?」
「・・・ふふふ。特に意味はないわ。ごめんね。」

あの時、あの時僕があんなつまらない質問をしていなかったら、きみは今、笑えてたかな。でも、その時の僕はそんなこと知る由もなくて、そのままきみにキスをした。きみは笑ってくれたから、僕は大丈夫なんだと信じた。やっぱりきみもどこにでもいる女の子だって、安心した。それに、きみの目があまりにも綺麗だったから。澱んでいない、透明な目だったから。あのときの笑顔すら、お芝居だったのかい?それだけはせめて、嘘だと言ってくれないか。

きみはあの時を最後に、消えてしまった。いや、現実には存在するんだけど、きみはきみじゃなくなってしまった。次の日からは学校に来なくなって、数週間後、やっと来てくれたと思ったら、きみはきみじゃなかったんだ。髪の毛が茶色くなってて、化粧なんかしなくても十分なのに、そこらへんの馬鹿な女みたいな化粧して、スカートが前の半分くらいの長さになってて、前も十分細かったのに今にも折れそうなくらい痩せて、そして何よりも、あんなに綺麗だった目が、澱んでしまった。きみはきみじゃなくなって、帰ってきた。あの時からきみの地獄の復讐ゲームが始まった。

僕はあれから3年がたった今も、きみのことを忘れていない。いや、忘れらない。でも、忘れてたまるかって思ってる。きみは僕の事なんか忘れてしまっているかもしれないけど、それでもいいんだ。きみが最後に僕に賭けてくれたという事実だけが僕の救いだ。だけど僕はその賭けにうまく嵌まることができなくて、ごめん。でもきっときみは、僕が馬鹿だったから最後の賭けに使ったんだろうね。やっと今わかったよ。でも1つだけ言わせてくれないか。

僕はきみを、愛していたよ。  
(0809 仮面にキス)

嘘をつくのには慣れた。だけどたくさんの馬鹿な大人を潰すことには未だに慣れていない。これから先も慣れることは、ないのだろう。いい子にしていないと愛してもらえない。いつも笑っていないと愛してもらえない。そうやって生きてきたあたしは、愛してもらうことに貪欲になりすぎた。だけど結局は誰もあたしのことを愛してくれなかった。それならいっそのこと、端から端まで振り切ってしまおうって。誰もあたしのことを愛してくれないのなら、潰してしまえ。

馬鹿な大人にさえ愛してもらえなかったあたしは、なんの価値もない生き物だ。あたしはただ、愛されたくて、気にかけて欲しくて、褒めてもらいたくて。一生懸命だった。ほんとうに一生懸命だった。だけど皆、成長していくあたしを見て次第に離れていった。そしてあたしは一人ぼっちになった。

「上を向きなさい。さあ、きみを、生きるんだ。」

あたしは馬鹿な大人を潰す度に、涙を流した。それはとめようと思ってもとまってくれなくて、いつもあたしを苦しめた。痛かった。心のどこか、指でさすことはできないけど、とても痛かった。苦しかった。そして涙を流す度に、仮面が鎔けてしまうのだ。丁寧に塗り重ねた仮面が、簡単に溶け出して、涙と一緒に流れてしまう。そしてあたしはまた、仮面を作り直すのだ。馬鹿な大人を潰すために。

愛を貪り食う天使は、いつも愛されていた。(0808 愛に溺れた)
僕これから死ぬのだろう。たったひとつの嘘が許せない。きみが本当は僕のことをこれっぽっちも愛していないことになんか気付いているんだけど、気付かないふりを続けてきた。いつまでもきみに騙され続けてあげてきた。それさえもきみは見透かしているのか?きみは何に復讐しようとしているんだ?何がそこまできみを冷酷な少女にしてしまったんだ。すべての始まりはいったい何なんだ。教えてくれよ。あの日、きみが長い睫につたわせて流した涙にはどんな意味があったんだ。

「愛してるわ。」
「嘘は言わなくていいんだ。そんな嘘は。」
「あなたが嘘だと思うなら嘘でいいわ。」
「君は一体誰なんだ。」
「ふふふ」
「もう戻れないんだ」
「戻る必要なんてあるのかしら」
「なんで、どうしてなんだ。」
「あなたが馬鹿だからよ。」

きみはそう言って僕を、殺した。現実には僕が僕を殺したんだけど。君はきっとそうやって何人もの人間を潰してきたんだろう。きっとそうなんだ。その完璧なまでの容姿と、感情が無い錆びた心を使って。気はすんだかい?きみの憎むべき馬鹿な大人は皆、潰せたかい?もういいだろう。きみも生きるんだ。しっかりきみを生きるんだ。さあ、服を着て部屋を出るんだ。僕の最期なんか看取らなくていいから。はやく部屋を出るんだ。そして、笑いなさい。泣いてはいけない。泣いてはいけないよ。きみは本当は優しい子だから、泣いてしまうだろうけど、泣いてはいけないんだ。きみのしてきたことを認めてはいけない。

「上を向きなさい。さあ、きみを、生きるんだ。」

悪魔はいつまでも最期を繰り返し、涙を流して、また悪魔になる。 (0807 最期を繰り返す悪魔)

結局あたしは馬鹿だから、彼においつくことはできなかった。
いつも背中を追い駆けてばかりで、横を歩けたことはなかったし
ましてやを見れることなんかなかった。あたしはあたしの中の彼をいつも見て
本当の姿なんか一度だって見ていなかった。だけど、それでもよかったと思う。
彼は彼のものだ。あたしの中の彼はあたしのものだ。
だから縛りつけようが捨てようが、あたしの勝手だ。
うん、そうすることでしかあたしは耐えられなかったんだ。
そんなこと今になってわかってもなんの意味も無い。なんの救いにもならない。

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