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あなたの爪が色を呈した。今日は煙草の色。重い香で、街中どこでもボタン1つで買えるあたしとあなたが共有できる色。そして独りになると必ず思い出す色。
「できたよ。」 「あー、今日も綺麗に塗ってくれたんだな。」 「可愛いでしょ?」 あたしが色を落とした爪のついた手は、あたしの髪にするする纏わりついてくる。窓から注ぐ冬独特の冷め切った白い光はあたしの目には疎ましい。あなたの首沿いにある突起を眺めていた。あたしにはなくて、あなたにはあるもの。不規則な上下運動。滑らかな移動。あなたがくくっと笑うと、小刻みに振動する。取り出してしまいたかった。その皮を1枚剥いで引き出したかった。 PR この記事にコメントする
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